どんこま散歩

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児童養護施設をもっとみんなに知ってほしいブログ

【児童養護施設関係者へ】子どもたちの未来のためにできること

子どもたちの未来

子どもは親の背中を見て育つ。
そんな言葉を聞いたことがある人は多いと思う。

子どもたちにとって一番身近な大人が【親】だからなのであるが、
7世の中には様々な理由で親とは暮らせない子どもたちがいる。
そんな子どもたちに周りの大人ができることを考えていこう。

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なんでも教えてあげる

やってあげてほしいことを一言で表すなら。
いろんな情報を自分の体験談をのせて教えてあげる
ということである。

そのまますぎて具体的にも何もないのだが、もう少し掘り下げてお話しよう。
先の記事で特に児童養護施設の職員や、学校の先生は社会人を経験してから入職できるようにした方が良いという話をしました。

読んでいない方は下記をご覧ください。
donkoma.hatenablog.com


その理由の一つとしてあまりにも情報量が少なすぎるということ。
私がいた児童養護施設でもそうでした。
初めての就職が今の児童養護施設の人ばかり。
同じ勤務先に長年勤めるのが良いとされている時代でしたし、子どもの事を考えたら職員の在籍は長いほうが良いわけです。
しかしそれにより悪しき習慣が生まれたり、あってはならない状況が起こっていたのも事実です。


今回そこはさておき、子どもの未来のためのお話。
情報と一言で言っても人への伝わり方が違うのをご存じでしょうか。

  • 自分で調べたり、人から聞いて知っている情報
  • 自分が体験して知った情報

どちらが相手に伝わりやすいと思いますか?
もしくはどちらが相手の心に残ると思いますか?


後者なのです。


理由はそこに自分の体験談や感情が入るからです。
ただ調べただけの情報は無機質といいますか、あくまで勉強した情報でしかないのです。
そこに感情や体験談をのせることでより相手がイメージしやすくなります。

わかりやすくいうと言って教えることは調べれば誰にでもできます。
しかしそれをやって見せてあげられることが大事なのです。
私が教わった言葉に
「言って聞かせて、やって見せて、やらせてみせて、ホメてやらねば人は育たず」
という言葉があります。

この言葉を習ったのは社会人になってから。
もっと早く知っていればと何度思ったことでしょう。
皆さんも職場や学校で思ったことありませんか?

失敗させてあげる

一つ目は体験談を教えてあげると言いました。
今度は一見それとは矛盾していることを勧めます。

なんでもやらせてあげてください。
失敗させてあげてください。

それが必ず将来宝物になります。
児童養護施設で育った子に限らず、失敗してこなかった子どもたちのその後の新しいことに挑戦する意欲はかなり低いです。

  • 失敗から学ぶこと
  • 成功する喜びを知ること
  • 自分の向き不向きをわかること

生きていくうえで必ず役に立ちますし、早い段階で知っておくことが大切です。
因みに私は失敗はできない環境で育ち、誰にも教えられず、何があっていて違っているのかわからないまま社会に出ました。

幼いころから靴のサイズは自分で決め、その結果足の指は隣の指の形をしています。
靴が小さすぎたのです。
骨盤骨折してリハビリ病院に入院するまでそんなこと誰も教えてくれませんでした・・・
知ったときの絶望感。もし正しいサイズの靴を選び続けることができていたのなら、私はきっとプロスポーツ選手になっていたことでしょう。小学校4年生の時から治っていないオスグット(成長痛)は今でもそのままです。
足のバランスが悪いことでのパフォーマンスの低下。事実靴のサイズをcmアップしたら今までなかなかできなかったプレーが簡単に出来ました。
それぐらい子どものころの情報は成長に左右するのです。

児童養護施設の職員の皆さん気にしてあげられていますか?
そもそもそこを職員の皆さんに任せること自体が間違いなのかもしれませんが、現状は仕事の一つです。
気にしてあげてください。

因みに私がこの失敗体験談を話しながら球技を教えたりすると、子どもたちは関心をもって話を聞いてくれます。
これが大事な失敗を乗り越え体験を伝えるということです。
ただ取り返しのつかなくなるような失敗は大人が程々のところで強制的に止めてあげてください。

知らないことは一緒に勉強してあげる

そうはいっても子どもたちに聞かれて知らないことは教えてあげられませんよね?
そんな時は見栄を張らないで一緒に調べたり、勉強してあげてください。
一緒に図書館に行くでもよし。
インターネットで調べるもよし。

子どものころ自分がしてもらってうれしかったことをそのままに。

そうすることで自分の知識も増えますし、子どもたちとの時間も共有できます。
たまには子どもたちから教わるのもいいでしょう。子どもたちは意外と教えるのが好きですからね。
学ぶことも大事ですが、教えることも知識を定着させるのには大事な要素の一つですので欠かせません。
インプットしたことをアウトプットすること。


何よりも大事なのは子どもの目線で一緒に考えてあげるということです。
今回の問題だけではないですが、同じ目線に降りることで対話ができます。

忙しいのはわかりますが、何のためにこの仕事をしているのか今一度考えてみてください。
子どもたちの未来のために。
そして自分の為にも。

最後に

児童養護施設管理職の皆さん
厳しいのは承知ですが、人員を増やす努力をお願いいたします。
子どもたちのケアには時間が必要です。しかしケアできる人間が少なすぎます。
外部の機関などをもっとうまく利用していきましょう。
需要と供給マッチしていません。

外部機関の皆さん
もっともっと発信してください。
必要なところへ届いていません。
調べなくても入ってこないと、今現在苦しんでいる子どもたちには届きません。
積極的なアプローチとしつこい情報発信を!!


卒業生の皆さん
まだまだ大変なのはこれからです。
みんなで助け合っていきましょう。
情報交換して常につながっていけば何かの役に立ちます!


簡単にあきらめるな!!
自分の人生自分で切り開こう。